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 皮膚疾患は犬や猫の来院理由で最も多い疾患の一つです。皮膚疾患は、簡単に完治できるものから、自己免疫性疾患のように生涯付き合わなければならない疾患まで様々です。他の疾患同様皮膚疾患での治療は、原因究明が最も重要になります。
 まず皮膚科診療において最も遭遇する痒みを伴う皮膚疾患についご説明します。
 
●痒みを伴う皮膚疾患とは?
 痒みを伴う代表的な皮膚疾患は、感染症とアレルギーです。感染には、細菌性皮膚炎、マラセチア性皮膚炎、皮膚糸状菌症、疥癬症などがあります。アレルギーには、アトピー性皮膚炎、ノミアレルギー、食事アレルギーがあります。
 
細菌性皮膚炎 アトピー性皮膚炎
 
●どうやって診断する?

 診断には、それぞれ病原体とアレルゲンを探すことが重要です。
 痒みを伴う皮膚疾患の診断では、まず病原体を探すことから始まります。病原体があれば、治療により病原体を駆除します。治療して痒みや皮疹が消滅すれば、感染症を疑います。病原体を治療して駆除してもまだ痒みが残っている場合はアレルギーを疑います。また、痒みがなくなっても皮疹が残る場合は感染症、アレルギー以外の皮膚疾患の疑いがあります。
  病原体を探す検査には以下のものがあります。

 

皮膚掻爬試験………………皮膚を削り、表皮の病原体を探します。
毛検査………………………毛に感染する真菌や毛の構造、毛周期などの検査です。
直接押捺検査………………皮膚表面のマラセチアや細菌などの病原体を探します。
ウッド灯検査………………糸状菌(真菌)を探すための検査です。
真菌培養……………………真菌の検査です。外部検査機関に送ります。
細菌培養(感受性試験)…細菌が検出された場合、抗生剤の効きがわかります

 
真菌 マラセチア ニキビダニ
 

 痒みを伴う皮膚疾患で、病原体がなかった場合、もしくは病原体を取り除いた後も痒みが残る場合は、アレルギーを疑います。
 もし、アレルゲンが特定できて、アレルゲンを除去できる場合はまずアレルゲンの除去を試みます。食事やノミなどが疑わしい場合は、まずこれらの除去を試みます。食事に関しては除去食試験、ノミに関してはノミの駆虫を行います。
除去食試験、ノミの除去を試みても痒みの残る場合は、アトピー性皮膚炎を疑います。現時点において、残念ながらアトピー性皮膚炎の確定診断を行う検査法はありませんが、アレルゲンの検査方法として皮内反応試験と特異的IgE抗体検査というものがあります。ただし、注意しないといけないのは、これらの検査法にはそれぞれ利点と限界があるということと、アレルゲンの探査の検査であり、アトピー性皮膚炎の検査ではないということです。これらの検査はアトピー性皮膚炎を管理するための免疫療法のアレルゲンの選択に利用します。

 皮内反応試験とは、患者の皮膚を使ってアレルゲンの探査する検査法です。皮膚の一部の毛を刈り、アレルゲンの抗原液を直接皮膚に注射してその反応をみます。

 特異的IgE抗体検査とは、患者の血液中のアレルゲン特異的IgE抗体価を測定する検査法です。この検査法は血液を採取して検査センターに送るだけで簡単にできます。しかし、検査センターは数社あり、会社によってその精度が異なりますので信頼できる検査センターを選ぶ必要があります。

 この分野は、日々進歩しています。とくにアレルギーの検査に関しては、現時点においては皮内反応試験がゴールドスタンダードと言われておりますが、これだけでは診断は不十分でした。現在、新しい診断技術が開発されており、近々利用可能となります。これらの方法と従来の検査を組み合わせて解析することにより、飛躍的にアレルギーの診断の精度が増すことが期待されています。

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